相手の可能性を引き出すコーチングとは

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昨今、コーチングというキーワードがよく見受けられます。
よく見受けられるいうのはその分、話題になってきているからです。
付随して1on1という言葉も増えてきました。
その背景にはただ言葉だけが流行っているからではなく、「効果があると実証している」からだと思います。

そもそもコーチングとはなにか、そしてコーチングの仕方、最後にコーチングの効果について記載していきます。

コーチングとは

コーチングとはその名前の通り、相手のコーチをすることです。
では、何をコーチするのでしょうか。
コーチングでは相手の思考のや捉え方の整理をコーチすることをさします。
なので、相手の思考や捉え方が整理されるのがゴールになります。

では、どういう時にコーチングをするのでしょうか?
相手の思考がまとまってない時はもちろんのこと、今なにかに対してもやっとした考えがある時もそうですし、定期的に思考を整理するというのも大切です。
なので、最近のIT企業では定期的にコーチングをする文化が芽生えてきました。
それが1on1と呼ばれる制度です。
もちろん1on1ではコーチング以外のことも行いますが、コーチングの場としては最適な機会ではないかなと思います。
定期的に思考を整理する機会として一度、1on1を行ってみるのもよいかなと思います。

よく比較としてティーチングが出てきます。
ティーチングは相手に指導してやれることを増やすのが目的です。
たとえば掃除の仕方とかが当てはまります。
窓の吹き方は水拭きした後に乾拭きをしましょうといった具合です。
ティーチングはしかるべき時に行う必要があります。
同時にティーチングばかりでは相手の成長には繋がりません。
なので、一通りティーチングが終わったら、コーチングで相手の成長の引き出しを広げてあげることが大切です。

コーチング中心にあるのは、答えは相手の中にあるということ

コーチングでは基本的にど真ん中におく思想として答えは相手の中にあるというものがあります。
なので、誘導したりコーチ側から「こういうのはどう?」というアドバイスをしてはいけません。
それは相手の思考や捉え方を整理しているのではなく、新しくコーチ側の思想を押し付けてしまうことになります。
この考えがすべてであり、もっとも難しいところでもあります。
コーチをする前、コーチをしている最中、コーチをした後の振り返りのすべての工程でこの思想を取り入れて考えましょう。
なので「僕は」という一人称の話をコーチは基本的には行うことをしてはいけません。
それを引き出すことに注力をしましょう。

どのようにコーチングを行うか

では実際にどのようにコーチングを行っていくのかについてです。
今更ですが、コーチングをする人をコーチと呼び、コーチングされる側の人をクライアントと言います。
そしてコーチングするには、まずは話の題材がなければいけません。
題材は相手に素直に聞いてみましょう。
「最近、何かもやっとすることや考えていることはありませんか?」といった具合です。

その時によく出る懸念として、クライアントから「話したい内容がありません。。。」と言ったことがあります。
これは往々にして起こる事かと思います。
きっとそれは「一方的に1on1をやります。」といったコミュニケーションになっているのが原因かもしれません。
求めていないものを行うと人は受け入れにくいものです。
なので、まずはなぜ1on1をやるのかの背景と目的の共有と、それはあなたのための時間であることをクライアントの人に理解してもらい合意を得ましょう。
同時に、ただ受けるだけではいけません。
お互いにコーチングをやりやすい努力が必要です。
話す内容がないということは基本的にあまりないと想定します。
うまくいってない事だけにフォーカスするとない時期もあるかもしれません。
しかし、少しうまくいったことをよりうまくすることも考えれるので、最近何を思考しているのかなどをクライアントは題材にするといいかなと思います。

題材が決まればコーチングの開始です。
ここで幾つかのテクニックというかをご紹介します。

リフレーミング

これは「相手の言動を見たり聞いたりしたものをそのまんまフィードバックする」といったものです。
例えば、何度も「一生懸命にやっている」と言ったフレーズをクライアントが発しているとします。
実はこの言動はクライアントは気づかぬうちに行っていることが多いのです。
なのでコーチは「なんども一生懸命にやっているとおっしゃっていますね。そこに強い思いがあるように見えます。」といったようなコミュニケーションをとってみます。
そうすると相手に気づきを与えることになります。
その結果、相手は「たしかに何度も口にしている。なぜこんなに何度も口にするのだろうか。」という思考が走ります。
その結果、クライアントの思考が自分で整理されていくことに繋がります。

また、言葉だけではありません。
例えば「いま、声の大きさが大きくなりましたが、そこに思いがあるのですか?」といった行動に対してのフィードバックも相手の思考の整理に繋がります。
他に「とても今わくわくしてお話されてますね。」といったものもリフレーミングの一種です。
蛇足になるのですが、家で一人でテレビを見てる時の笑顔はあまり笑ってないそうですよ。
つまり自分の顔の表情って実は自分では認識できないものなのかもしれないですね。

アクノレッジメント

これは「相手の行動を認識する」といったものです。
人の心理欲求の一つで、行ったものが他人に受け入れてもらえているのかどうかが知りたいっていうものがあります。
アクノレッジメントは具体的に何をするのかというと、相手の行ったことを伝えることを行います。
「え、それだけですか?」という声が聞こえてきそうです。笑
ただ、それだけなんです。笑
例えば店舗で働いているクライアントとコーチングを行ったとします。
その時に「前回の振り返りも踏まえて、今日は棚卸しを抜け漏れなく行えていたね。」といった具合です。
感情を入れるのではなく、事実だけを話します。
感情を入れるとそれは主観的な意見となり、それは評価という概念に繋がります。
このお話はまた別の機会に記載します。

クライアントは「ちゃんと自分を見てくれているんだ。」と感じます。
そこからクライアントは「こういう風な工夫をしました。」とか「ここまではでき、次はこういう風なことを考えています。」といった話ができます。
その中から次なる思考の整理の会話の糸口が見つかります。

なんで?なぜ?を使わない

「なんで?」や「なぜ?」は極力使わないようにしましょう。
ほかの言い回しがどうしても考えつかなかった場合は仕方ないのですが、使った後にほかの言い回しがなかったかどうかの振り返りを行いましょう。
なぜ使わないほうがいいのか。
それはなんで?やなぜ?は自分の考えとは異なっているということを暗黙的に示唆しているため、そこに少なからず壁を作っていることになるためです。

たとえば、クライアントがやるべき事をやっていなかったことが題材になったとします。
悪いコーチは「なぜやれなかったんだ?」と聞きます。
そうするとクライアントは言い訳を並べるしかないわけです。。。コーチが怖いですし。笑
では、いいコーチだとしたらどうなるでしょうか。
いいコーチは「やるべきことをやっていなかったと認識しているのだけど、その時なにがあったの?」といった、当時のクライアントの状況理解や心理的な状態をまず確認します。
事実だけをクライアントが話してくれたのであれば、きちんとその時のクライアントの感情も聞いておきましょう。
そして、次にどうすればいいと考えているのかなどを寄り添って話を聞いてみましょう。
いつも答えはクライアントの中にあるのですから。
とはいえ、例えば新入社員などでそもそもやり方がわからない場合もあります。
その時は丁寧にティーチングを行い、方法を教えることになります。

コーチングの効果

コーチングを行うには時間がかかります。
その結果、どうなったのかがわからないとなかなか始めにくかったりしますよね。
コーチングだからこその効果がわかれば導入しやすいのではないのかなと思うので記載していきます。

大前提としてコーチングでのアウトプットは「クライアントの思考の整理」です。
その場ですぐに何か行動が変わるわけではありません。
もちろんコーチングの時間の中で「ネクストアクションとして、次はこういうことをしてみようと思います」というのが出たら、それはとても素晴らしいことです。
ただし、常にそれが出るわけでもないので、出さなきゃいけないっていう風に力まないようにしましょう。

では、思考が整理されると何が嬉しいのでしょうか。
それは課題だと思っていたことが課題ではないことに気づいたり、自分が本当にしたいことなどが見つかったりします。
そうすることで行動に影響が出てきます。
鉄の女で有名なマーガレット・サッチャーはこんな言葉を残しています。

考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となる。

つまり、一番根幹にあるのはその人の考えや思考です。
だからこそ思考の整理が必要になる訳です。
例えば、仕事がうまくいかない人がクライアントだったとします。
仕事がうまくいかない要因を探るのではなく、その人が何を感じているのか、何を課題と感じているのかなどを話してもらいます。
話すだけでも自分が設定している課題が本当に正しいのかどうかという思考が巡るので、その結果新しい見方や考えが出てきます。
それが行動に移り、またそこから思考しての繰り返しです。

まずはすぐに表層化する行動の変化を求めずに、相手の思考の整理を行うことに注力してみましょう。
慣れてきたから、コーチングの中で次に活かせることを探っていくのがよいかなと思います。

おすすめのコーチングの書籍

コーチングに関しての書籍が増えてきました。
一度もコーチングを受けた事がない、コーチングをしたことがない人にとっては新しい気づきになることが多くあると思うので、よければ読んでみてください。

コーチングを小説形式で書かれています。
コーチングを受けるとどのように人の思考が変わり、行動が変わるのかが理解しやすい一冊です。
コーチングでは言葉の選び方にとても気をつけます。
例えば、「夢」という言葉を聞いてどういう動詞が出てきますか?
叶える・見る・壊すなどなど、いくつも存在します。
人それぞれによってその言葉のニュアンスなどが異なるので自分がどういう感性や感覚をもっているのかに気づけるかもしれません。

コーチングとは少し離れてしまうのですが、怒りのマネジメントについての本です。
人の感情は喜怒哀楽の4つがありますよね。
その中でもっともエネルギーが高いとされているのが怒りです。
その怒りをうまくコントロールしましょうっていうお話です。
不安や怒りなどは自分に気づかない何かが隠れていることが多くあります。
だからこそ、まずは自分の不安や怒りはどこからきているのかを明確に認知する事が大切だと教えてくれる一冊です。

途中で触れましたが、アクノレッジメントに通じる書籍です。
アクノレッジメントと褒めるは少し異なりますが、アクノレッジメントの先にあるものになります。
ほめるだけではいけないとか、ほめすぎたらいけないなどといったご意見もあるかと思います。
それはほめるスキルがまだ高くないからという捉え方もできます。
ほめるスキルをあげることでそのような懸念は払拭されます。

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