【 HATARAKU】相手に喜んでもらうこと。ー 松山 永一


松山 永一 フリーカメラマン

カメラマンになってからまだ数年しか経っていないが、冬は北海道のトマムリゾートでスキーのインストラクター、夏は全国でスポーツ写真を撮影、そしてよさこいチームSUSABIの専属カメラマンと幅広く活動中。現在は空撮にも携わっている。自分が撮りたい写真を求めて、2012年には3か月間に及びアラスカで極寒の中、ロケハン撮影も経験している。
そんな松山さんにとって働くとは!?

Webサイト http://eiichi81.com/

 

「初めて親にカメラマンになるといったとき、どんな反応でしたか?」

 親にカメラマンになるかを言ったかどうかは忘れましたね。笑 ただ、カメラを言い訳にしたくなかったので一番いいカメラを買いました。それで人を感動させれる写真を撮ることができなければ辞める決心さえしてましたね。

 

「これから映像に手を伸ばしていくのですか?」

 僕は映像を撮る予定はないです。やはり僕は写真が好きで、一瞬一瞬を切り取った絵が好きなんです。 自分の目に飛び込んでくる情報はその一画角であって、その瞬間に感動しています。前後の情景は想像で補えるし、各々の感性に委ねられますし。 反面、映像はこの前後を見せる事ができますが、意図して撮影することが自分にはできません。勿論、映画や自然もので作り込んだ作品鑑賞は好きですよ。また少し話は変わりますが、TVを小さい頃から見ているために想像する力が弱い人が増えてるという社会問題さえあるみたいです。でも企業は映像の方がインパクトを伝えれるので映像を使うことが多いんです。僕は写真を見て想像するのも好きですし、僕の写真を見て想像してもらえたら嬉しいですね。

 

「写真で伝えるということについてどう考えていますか?」

 写真集を出している人って自分の写真が好きなんですよね。写真が好きで、自分が見てきたものを伝えたいって思っています。そして相手に認めてもらった上で、ちゃんと結果を出している。それって結局のところ僕からしたら自己満足なんですが、そんな自己満足できたら最高だと思います。
 ただ世界の絶景などの写真集には全然興味がわかないんです。僕にはそこから写真に対する思いが伝わってきませんし、あれはいわゆるビジネスであって、見たい人がいるからいいと思います。しかし、撮りたい写真じゃないですね。同じような一枚でも意図したものを狙っていたかそうでないかは分かります。また狙っていたとしても、綺麗なだけの写真で、伝えたいことは『この絶景、綺麗でしょ』だけなんです。また僕の写真で万人に感動してもらいたいですが、それは不可能なんですよね。それは写真に興味がない人もいますし、そういう人にとってはどんな写真も一緒ですもんね。かつては、自分もそうでした。ただ僕はわかる人に『あいつの写真いいよな』って言わせたいんです。気付いて欲しいんですよね。 僕は写真に携わってまだ日が浅いですけど、写真を始める前に購入していた写真集ですが、今改めて見るとやっぱり『すごいな』って思います。やっぱりどんな分野でも一定のレベルに達しないと分からないことってあるんですよね。 けど、当時は何かに惹かれて手に取ったんだと思うのです。

 

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「今後の活動はどのような予定をしていますか?」

 これからも自分の作品を撮り続けていきます。僕が撮った写真で少しでも相手に何か感じとってもらえるようなそんな写真を。その為に働きますし、いろんなところに足を伸ばして写真を撮り続けたいと思っています。僕はあまり人が訪れない土地に行くことが好きなんですけど、それは目の前に広がる景色をこれまでほとんどの人が見たことがないことを思うと感動するし、それを伝えたいからですね。だから僕はこれからも人があまり行かないようなところに行って写真を撮り続けたい。世界はこんなにも広いんですから、まずは行ってみないとそこが自分にとっていいのか悪いのかもわからないと思うんです。

 

「松山さんにとって働くとはどういったものですか?」

 働くということはまず自由はなくなると思いますね。 昔、生活した場ですが、生き抜くためにはなんでもこなさなければいけない人達をみてきました。雪が融けると山菜狩り、薪割り、熊肉鹿肉の解体、源泉の管理など毎日やることがいっぱい。 都会でも、通勤電車をはじめ携わる仕事のためにいろいろなことがあります。 その仕事に骨をうずめる覚悟がなければ、なにをやっても同じです。 僕は自身の作品の撮影など活動があるので年中働いてませんが、結果を出す事で無理な要求を聞いてもらいます。また、資金としての報酬も前年比プラスになってきました。 好きなことをやるために、つまり自由を得ることと働くことをいかに両立させるかを考えてきました。 その上で働くとは相手に喜んでもらうことなんだと思います。感動があるから、仕事になり、働けます。求められることに答えることが仕事であって、自分が大切にしていることを犠牲にする場面も多々あります。受け取り方は相手次第ですから、もし喜んでもらえなかったら働けませんしね。 その中からチャンスを掴みます!!

2013年 12月 4日