2016年に読んだ本まとめ
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2016年は満遍なく読書をしてみました。
僕は行動論や組織論が好きなのでその手の本が基本的に多いです。
小説も久々に読もうと思い幾つか読み返したり新しい小説を読んだりしたので、その中で特によかったのをざっくりジャンル分けしておすすめします。
2016年に見た映画はランキング化したので、興味があれば下記のリンクからどうぞ。
「2016年に見た映画ランキング10」
また読書や人との出会い、実際の経験などから得た知見を集めてこれから必要だと思う能力をまとめてみました。
主に20代向けの記事です。
「これから身につけておきたい3つの能力」
学論よりの書籍
ライフシフト / リンダ・グラットン
今後100歳まで生きることが当たり前になる時代という予測を前提として、様々なストーリーを描きながら今後の新しい人生設計を提唱してくれます。
超高齢化社会でありながら、少子化問題が回復の見込みがないため日本での話もよく話題に上がります。
本の紹介とはやや話がずれますが、2016年の出生数が100万を初めてきりました。
平成 28 年(2016)人口動態統計の年間推計[厚生労働省]
100年ライフをどのように生きていくのか、そもそもなぜその話題があがるのか。
大学を出て、就職し、結婚や出産を経て家庭を築き、1社~3社を経て65歳で仕事を引退。
余生を送る。といった人生設計が今までの当たり前でした。
しかし、これから100歳まで生きるとすれば引退してから35年間もあります。
その間のお金はいつどのようにして貯金するのか。
貯金にも限度があるので、とすれば75歳まで働くのか。
そもそも75歳まで雇ってもらえるのか。
などなどの問題を3世代のストーリーを例に紐解いて生きます。
20~40代の方向けの1冊です。
リンダ・グラットンが以前に出版されているWORK SHIFTは「働く」に特化した一冊ですが、こちらもキャリアを考える上での参考になるので、ぜひ読んでみてください。
人生は20代で決まる / メグ・ジェイ
10~20代ないし、30代前半に向けた1冊です。
30代からが本番だから20代はあまり努力しなくていい。
みたいな考えを持っている人が作者メグ・ジェイのクライアント(正しい表現かわかりませんが、もしくは患者)になります。
そんな彼らの生活をどのように変えていったのか、そのための知識などを得れることができます。
例えば前頭葉やパーソナリティは今まで幼少期の頃にある程度確率され、変わることはないと言われてきました。
最近売れている書籍でいうとストレングスファインダーなどがそれにあたるかと思います。
しかし、最近の研究結果では前頭葉もパーソナリティもまだまだ発展途上だということです。
もちろんとても大きく変化することは難しいです。
ここで書かれているのは努力を持ってすれば最後の成長段階である20代からもう一度頑張り直せるということです。
他にも結婚や出産に関しての話なども書かれており、20代を生きるための1冊になるのではないかなと思います。
TEDもあるので、ぜひご覧ください。
30歳は昔の20歳ではありません
GRIT / アンジェラ・ダックワース
GRITとはやりきる力のことをさします。
著者のアンジェラは大手コンサル会社でキャリアを積んだ後に、中学校の教師、そして心理学者という経歴です。
が提唱するのは「才能×努力 = スキル」となり、「スキル×努力 = 達成」になるとしています。
ではGRITがあれば何が嬉しいのでしょうか。
彼女は学力社会に物申しています。
IQや学力のみで評価されるキャリアや幸福度はあんまりだと。
そこで、教師の時の経験からGRITに興味を持ち始め、心理学者として研究を開始します。
結果によると、GRITが高い人はアウトプットも優れており、また幸福度も高いということです。
IQにでの相関はみられなかったがGRITでは相関がみられたそうです。
最後までやりきる力はどのように測るのか、またどのようにつけていくのか、などを研究結果をもとに言及している一冊です。
今年、一番おすすめしたい本の1冊です。
自己向上系
ザ・コーチ / 谷口 貴彦
目的、目標、ゴール、夢…etc
それらの言葉の意味の違いをご存知ですか?
いまあなたが頑張っていること、これから頑張ろうとしていることはどれに当てはまりますか?
自分がどうしたいのか、それを達成するためには何をしなければいけないのかの整理を手助けしてくれます。
小説のストーリー仕立てで読みやすいのでさらっと読めます。
言葉の力を改めて感じることができる一冊です。
今年読んだ本の中でもっとも学びが多かった一冊で特に若者に読んでいただきたいです。
最高の結果を引き出す質問力 / 茂木健一郎
質問はその人らしさを引き出したり、相手の新しい側面を発見する力があります。
いま、質問力がまた注目されつつあります。
その背景には機械が人間の仕事を取って代わっているためです。
覚えたことをやることはできますが、その人らしさを引き出す質問を機械はまだまだできません。
そのコミニュケーションスキルとしての質問力の鍛え方を学ぶことができます。
学び続ける理由 / 戸田 智弘
一つのプロフェッショナルなスキルだけでなく、複数のスキルを鍛えることが求められる時代になりつつあります。
現代以前よりも前からプロフェッショナルと呼ばれる人や尊敬される人は常に学び続けています。
ここで勉強ではなく学ぶというタイトルにも惹かれます。
勉強はstudy、学ぶはlearn。
studyはラテン語のstudiumが語源らしく、その意味は「情熱、熱意」であり何かに没頭するの意味合いがあります。
learnは語源こそ見つけれませんでしたが、「習得する、なにかをできるようになる」の意味合いがあります。
何かに没頭するのが目的ではなく、なにかを得るために学ぶことが目的です。
この本に関してもう少し詳しく記事にまとめたので、気になるかたはご覧ください。
「なぜ人は学び続けるのか」
目的やゴール、目標があれば学ぶ理由になるのではないでしょうか?
本記事で紹介しているザ・コーチ、GRITと一緒に読むのをおすすめします。
国内小説
ノルウェイの森 / 村上 春樹
主人公のワタナベと、彼氏のキズキが自殺したことがメンタルがおかしくなった直子の恋物語。
大学でふとしたタイミングで再開し、二人は距離を縮めるが、直子の容態が悪化。
京都の山奥で養生することに。
ワタナベの生活はその後、緑という女性との出会いから変化していく。
少し頭のおかしい、けどそれはどこか自分の中の奥深くに誰もが潜んでいるものかもしれない。
ワタナベが最後に緑との電話越しで「ここはどこだ?」と言うシーンに全てが凝縮されている気がしました。
池袋ウエストゲートパーク / 石田 衣良
「I・W・G・Pサイコー!」なんてガキくさいことを読み終わったら叫びたくなる。
主人公の真とそれを取り巻く様々なガキと大人の物語。
IWGPではだらだらした時間がずっと流れていたはずだった。
しかし、ふとした出会いから様々な事件が始まっていく。
ドラッグ、援交、殺人、そしてガキたちの戦争。
ガキだろうと大人だろうといがみ合う世の中に物申す一冊です。
連続ドラマにもなっています。
カラフル / 森 絵都
「抽選にあたりました!」といきなり天使が出てきて自分が死んだことに気づく。
ミッションにクリアすればまた生き返ることができると天使はいう。
まずはそのためにいま死んだばかりの他人の身体に宿り、その人になりきらなければいけない。
そして最後に与えられたミッションとは自分は生前、誰だったのかを24時間以内にあてろというもの。
果たして、ミッションをクリアして生き返ることができるのか。
学生の青春ドラマであり、命や自分らしさ家族関係を考えさせられる名作。
アニメ映画にもなっています。
海外小説
グレート・ギャッツビー / F・スコット・フィッツジェラルド
ディカプリオが主演をつとめる映画にもなった大作。(日本作では「華麗なるギャッツビー」)
「オールド・スポート」そうギャッツビーは主人公を親しみを込めて呼んでいた。
ギャッツビーは大金持ちで週末には何百人を集めてパーティをする。
そんな彼の正体は不明。
いろんな噂が交錯する。
オールド・スポートはギャッツビーの唯一の友人となり、その真実を知ることになる。
ちなみに「ノルウェイの森」の主人公ワタナベくんが読んでいた1冊でもあります。
車輪の下 / ヘルマン・ヘッセ
秀才の主人公ハンスは多くの大人に期待され勉強に明け暮れる日々。
友人との遊びも全て禁止される。
その勉強の甲斐もあってハンスは名門校に入学することができる。
しかし、そこでの出会いがハンスの人生を大きく狂わせてしまう。
ヘッセはノーベル文学賞を受賞しているドイツ文学を代表する作家。
最近ではDiscover21社から「超訳 ヘッセの言葉」が出版されている。
ちなみにこちらも「ノルウェイの森」の主人公ワタナベくんが緑の家で読んでいた1冊でもあります。
異邦人 / アルベール・カミュ
主人公ムルソーは平々凡々な暮らしをしている中肉中背の男だった。
人に関与するのもめんどくさがるほどの人間だった。
ある日、友人のレエモンがアラブ人と揉め事になり、ムルソーがそのアラブ人を射殺してしまう。
裁判ではムルソーが人に対しての興味があるかないかが判断軸となってしまう。
何が正しいのか、誰がその主導権などを作るのかなどなど考え深い1冊です。
カミュは大学卒業後、ジャーナリストとして活動。
本書を第二次世界大戦の最中に発表している。
1957年当時、史上2番目の若さでノーベル文学賞を受賞している。
ヴェニスの商人 / ウィリアム・シェイクスピア
イタリアのヴェニス(ヴェネツィア)を舞台にした戯曲。
商人のアントーニオという心優しい男と、その友人バサーニオ、金貸しのシャイロック、そして王妃のポーシャの話。
バサーニオがポーシャに求婚するためにお金が必要だったので、アントーニオがシャイロックからお金を借りる。
しかし、アントーニオの商船が難破し、返せなくなる。
シャイロックはアントーニオの命が欲しいというが、その審議の行方を握るのは男装したポーシャだった。
シェイクスピアならではの機知に富んだジョークや論理展開などなどがとても心地いい一冊。