2018年に読んだオススメの10冊


2018年はあまり多くの本を読めなかったのですが、その中で特に面白かった本を10冊オススメとしてあげてみます。
去年の見返すと20冊ピックアップしてる。。。

それだけ今年は読めなかったってことなので、2019年はより読書するように頑張ります。笑

NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法


圧倒的な2018年で読んだ本でNo.1の本でした。
NVCとはNon Violence Communicationの略で、非暴力なコミュニケーションを表します。
暴力的なコミュニケーションとは「あの人はこういう人なんだ!」と感情で決めつけてコミュニケーションをすることです。

例えば、「あのバスケ選手は使えない選手だ!」という発言には暴力的な感情が含まれています。
NVCの観点で事実だけ並べてみるとこうなります。
「あのバスケ選手は今シーズンで16試合中40点獲得した選手である。」
ここには何の感情も入っておらず、暴力性がありません。
それは言い換えると評価しているということです。
なぜかというと、使えない選手と評価しているのは発した人です。
これを違う人が「あのバスケ選手は成長してきたなー」とか「伸び代がまだまだありそうだから育てがいがあるなー」と言うのも感情が入った評価です。

もう少し詳しい内容はこちらに記載しているので興味があれば読んでみてください。

コーチングのプロが教える「ほめる」技術


2018年はコミュニケーションのあり方を学んだ時期でした。
その際にコーチングが現代のコミュニケーションでは外せないトピックスです。
コーチングの一つにアクノレッジメントというものがあります。
認知することを指しています。
「昨日のあの行動は先週話し合ったことが改善されていたね。」といった具合です。
承認欲求と同様のものを人は求めてるものですし、同時に求めていなくても認知されると嬉しいものです。
自分がやったことを人が見てくれているというだけで気持ちよくなります。
どのようにアクノレッジメントすればいいのかなどを学ぶきっかけになると思うので、人付き合いに困っている人は一度読んでみるのをオススメします。
同時にコーチングに関してはこちらにまとめているので興味があれば読んでみてください。

自分の小さな「箱」から脱出する方法


自分の中のセルフマネジメントのお話です。
自分の可能性や捉え方を「箱」という概念で小説形式に記載されています。
どうしても人は固定概念ができてしまう生き物なので、その箱とどのように付き合っていけばいいのかというもの。
もし「あの人はこうだ!」とか「あれはよくないんだ!」みたいな発言をよくしてしまっているのであれば、一度自分の固定概念を取り払うためにも読んでみるのをオススメします。

部下育成の教科書


成長にはステージとその成長期間というものがあります。
それぞれのステージとはどういった状態なのか、またその状態を満たす項目は何であるのかをリクルートマネジメントソリューションズが研究し、まとめているものになります。
この本ではステージを4つに分けて、それぞれのステージごとにトランジションという成長時期が存在しているとしています。
4つのステージとその要件は以下の通りです。
1. 「スターター」ビジネスの基本を身につけ、組織の一員となる段階
2. 「プレイヤー」任された仕事を一つひとつやりきりながら、力を高める段階
3. 「メインプレーヤー」創意工夫を凝らしながら、自らの目標を達成する段階
4. 「リーディングプレーヤー」組織業績と周囲のメンバーを牽引する段階
例えば、これらの要件とかをメンター間で共有し、「あの人はこういう状態にいるからこういう仕事やコミュニケーションを任せてみよう」という会話をすることができます。
要は「育成に関しての共有認識と共通言語を持つことができる」のがこの本で得れることです。
チームメンバーを持ち始めて人とかにオススメする一冊です。

人と組織を効果的に動かす KPIマネジメント


ビジネス書としてはダントツにこの本がおもしろかったです。
KPIという言葉を忌み嫌う人がいたり、そのよさだったりを理解できないという人がおられるかと思います。
そうであればまずKPIとは本質的にどういった価値があるのか、結局どこに結びつくのかというのが理解すれば納得した上で行動ができるはずです。
この本ではJALの再建などの事例をもとにKPIとは何か、どういう風にKPIを立てればいいのかが理解できるようになります。
特に面白かったのはKPIをさらに細かく切り分けた「KFI・KRI・KAI」という指標があるというものでした。
(KFIはKGI、KRIはKPIともいいます。)
それぞれの略語の元と意味は以下の通りです。
KFI(Key Financial Indicator)売り上げUPなど、利益に直結するもの。
KRI(Key Result Indicator)KFIの理由になるもの。お店の回転率や材料費削減など。
KAI(Key Action Indicator)KRIをあげるための具体的な行動。1日に◯◯を何回するとか。
これらを図式化して、何がどのようにつながって結果として売り上げがあがるのかを説明してくれています。
BSC(バランススコアカード)やバリューチェーンなどのフレームワークと同時に学ぶと理解しやすいかと思います。
KPIに腑に落ちていないや、どうやってKPIを立てればいいのかに悩んでいる方におすすめの一冊です。

グロービスMBAマーケティング


個人的にマーケティングの教科書として定義しています。
STPやブランディング、CRMなど分野ごとに事例を元に解説されています。
とても大きな本で、かつボリューミーなので読み始めるのが億劫なのですが、読み始めると事例がおもしろくてついつい読んでしまいます。
事業会社で働いている人は職種関係なくマーケティング思想はいろんなところで役に立つと思うのでぜひ一度読んでみてください。
また、キャリアといった人材としての市場価値もマーケティングの発想で考えることができます。
仕事だけでなくいろんな分野で応用が利くのもマーケティングの思想の魅力の一つです。
他におすすめの書籍はこちらに記載しているので興味あれば。

予想通りに不合理


行動経済学と言われる分野の本になります。
「ナッジ」という言葉を聞いたことはありますか?
リチャード・セイラーが定義している人がなぜ行動するのかの理論です。
「予想通りに不合理」はセイラーではなくダン・アリエリーというまた別の行動経済学者の本になります。
彼は全員にひどいやけどを負い、その時の治療で「なぜ看護師は一気に包帯をとった方が患者にとっていいと思っているのか」と感じ、そこから人の行動にはどういった特性があるのかの研究を始めます。
今までの経済学では合理性を元に計られていました。
「AとBがあってCだから人は買う」といった具合に。
しかし行動経済学は非合理な行動が人間の行動だとしています。
例えば、30インチのTVが欲しいのに、実際に30, 40, 50と並べられると多くの人は40インチを買います。
それはなぜでしょうか?
合理的に考えたら30インチで十分なはずなのに。。。
そういった合理的には考えられない人の行動を知るのが行動経済学です。
マーケティング部門や商品開発部門、人事部門の方などにおすすめの一冊です。

ファイナンス思考


多くの会社の人はP/L脳になっており、目の前の数値しか意識していない。
そんなP/L脳の人に警鐘を鳴らしているのが「朝倉 祐介」さんです。
マッキンゼー出身でmixiの再建を手がけ、現在はスタンフォード大学客員研究員やRaksulの社外取締役をやられています。
ファイナンスのことをあまり知らない人も多いと思うので、ざっくり説明すると「未来への投資をするお金の戦略」です。
会計つまりアカウンティングは「過去に使ったお金の内訳、ないし成績表」のことです。

例えば、この本の事例でもあるのですがAmazonはFCF(フリーキャッシュフロー)を主に気にかけてファイナンス戦略を行っています。
Walmartを買収する時も、手元に買収するお金はありました。
しかし、それを使ってしまうとR&Dに対しての投資額を減らさないといけません。
そうすれば将来の新しい製品やサービスを生み出すのが難しくなります。
だから、Walmartの買収の時は債権の発行(デット)を行いました。
(株式の発行はエクイティと言います。)
そうすることで借金は増えますが、その時点でR&Dに対するキャッシュを減らさなくていいことになるので、将来に対する投資ができるわけです。
こちらの記事にありますが、Amazonは世界でR&Dに対しての投資額が世界で一番高い企業でもあります。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/54559

だからこそ、どんどん新しいサービスや技術が生まれているんですね。
ファイナンス思考は将来に対しての投資戦略の思考と言い換えることができます。
目の前のことでなく、3年後などを見据えた戦略を描くためにもおすすめの一冊です。
少し話は逸れますが、ベゾス氏は1日に3つの重要な決断をすることが大切とおっしゃっています。
この動画がとてもおもしろいのでお時間ある際に見てみてください。
https://www.bloomberg.co.jp/news/videos/2018-10-02/PFZV896TTDS501

世界をつくった6つの革命の物語 新・人類進化史


ロングテールで世界の歴史を見てみると新しい発見がありますよっていう本になります。
6つのトピックスを掲げ、それらのトピックスがどういう影響を現代にもたらしているのかが書かれています。
特におもしろかったのが、「冷たさ」の分野です。
人間が産み出した大きな発明の一つに「火」があります。
その結果、温かさや熱に関しての研究などを比較的早くに進化してきました。
冷たさはあまり研究されていなかったのですが、氷産業を皮切りに「冷凍食品」や「クーラー」などが出てきました。
その結果、暑すぎる地域で人が快適に暮らせるようになりました。
すると起こったのが人類の移動と人口爆発です。
もちろんクーラーだけでなく、水が飲んでも大丈夫になったからなどいくつかの要因はあります。
その人口爆発によって、民主主義が変わりました。
今では寒いまたは温暖な地域の人たちの意見で決まっていた政治が、暑い地域の人たちも無視できなくなったわけです。
そのようにPESTみたいな包括的な分野を絡めながらそれぞれのトピックスを知ることができるのでとてもおもしろい一冊です。

深夜特急


言わずと知れたバックパッカーのバイブル!
今から45年前に「インドからローマまで陸路で旅をする」という破天荒の旅行記になります。
毎日おこるハプニングや人との出会い、新しい価値観を通じて作者の沢木さんがどんどんと変わっていく様が非常におもしろいです。
最後の6巻の書き方は憎い。。。
あんなの書かれたら旅に出ないわけにはいかないじゃないですか。。。
旅行するときのお供にぜひ深夜特急を読んでみてください。
きっと旅から帰りたくなくなりますから。笑