人が学び続ける理由を考えてみた
[ad#co-1]
1冊の本を読んで、なぜ人は学び続けるのかを考えてみました。
今回は僕の大好きな出版社のDiscover21からの1冊です。
「99シリーズ」の新刊です。
99シリーズとは
Discover21社から出版されている書籍のことで、99の言葉を引用してきて一つのテーマについて紐解いていきます。
Discover21社が99シリーズと呼んでいるのかは知りません。笑
働く理由99の名言から学ぶシゴト論。は「なぜ人は働くのか」の疑問に対して紐解いて行きます。
僕は就活生の時に読みました。
なぜ人は大学を卒業したら自ら働きにいくのか。
何のために40年も働くのか。
LIFE SHIFTによると「大学卒業してすぐに就職して40年働き続ける」その考え自体が、今ではオールドファッションになりつつあるみたいです。
少し話は脱線しましたが、働くことに悩んでいる方はぜひ一度読んでみてください。
また、働いている方も一度自分の働くに関して考え直すキッカケとして読んでいただければと思います。
働く理由がヒットしたので、その続編として続・働く理由。が出版されました。
僕はまだ読んでいないので感想は書けませんが、働く理由を読んで面白いと感じたのであれば一読してみてもいいかもしれません。
学び続ける99の金言と考えるベンガク論
誰しも人生で一度は「どうして勉強しなければいけないの?」と親や教師に聞いたことがあるのではないでしょうか?
日本では9年に及ぶ義務教育が施され、読み書きや計算に不自由ない生活をある意味強いられてきました。
勉強をどのように捉えるかは人によって様々であり、勉強することが嫌いな人、好きな人に大きく分かれます。
勉強が嫌いな人はおそらく勉強する意味が自分の中に見出せないから勉強したくない状態になっていると思います。
しかし、勉強とはニュアンスは異なりますが、生きている限り、もっと言えば働く限りは半強制的に学ぶことを続けなければいけません。
その学びが社会の価値となり、お給料をもらうことになります。
そんな方にはぜひ本書で勉強する意味と、自分なりの勉強の仕方を見つけてもらえればと思います。
勉強が好きな人はおそらく直接何かに結びつかない読書をしている時に罪悪感のようなものを感じたことがある人も少なくないでしょう。
そんな方には今までどのような人たちがどのように学んできたのかを知り、自分なりの学ぶスタイルを確立してもらえたらと思います。
全部で11の項目からなる本書ですが、その中から3項目をピックアップし掻い摘んでご紹介します。
[ad#co-1]
なぜ、一生学び続けるのか
第1章から全力投球の問いが注がれます。
学ぶのが好きな人もそうでない人も、一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
この章で書かれていることを要約すると
・学び続けると自分の器が大きくなり続け、死してもなおそれは伝え続けられる。
・学びをやめた人は過去にしか生きれない。
この2つに尽きるのではないかなと思いました。
前者の言葉は人として大きくなることで人生がより豊かになることを示しています。
何を学ぶとするのかは人それぞれですが、能動的な学ぶ姿勢が人を必ず大きくしてくれます。
後者の言葉にはとても共感しました。
人の知能は「流動性知能」と「結晶性知能」の2つあると提唱している心理学者がいます。
流動性知能:新しい環境に適用するための問題解決能力
結晶性知能:獲得した知識を活用して問題を解決する能力
前者は成人になるまで急速に伸び、どんどん衰えていくもの。
後者は学び続ければ伸び続けるもの。
学ぶことを止めた場合、過去の経験でしか判断できない結晶性知能だけを見れば過去に生きることになります。
学ぶことは人の器を大きくさせ、人生を豊かにしてくれます。
また、現在を生きるという視点からも学び続けることは重要な役割を果たします。
最後にこの章で一番僕に刺さった言葉を記しておきます。
僕は比較的学習意欲が高いほうだと認識しているのですが、学び続ける人生に少し悩んだこともありましたが、この一言にハッとさせられました。
学び続けることは人生の一部なんだと今では思っています。
「私は常に学んでいる。墓石が私の卒業証書だ。」
− アーサー・キット(歌手、女優)
何をどう読むか
学ぶ方法の一つして読書は必ず出てきますよね。
しかし、いざ新しいことを学ぼうとしたらどの本から手を出せばわからない。
本を読めと言われるがどれだけ読めばいいのかもわからない。
本を読もうとする人の多くはこのような状態に陥ったことがあるのではないでしょうか?
・まずは1000冊ほど濫読してみることで、自分は何に興味があるのかが明確になってくる。
・少し背伸びしたくらいに難しい本がちょうどいい。
・読み返すことで深い理解になるので、その時のためにメモなどを残しておく。
細かいところを書くともう少しありますが、かねがね掻い摘むと上記のような要約になります。
なんでもまずはやってみないとわからないのは読書でも同じで、自分ができることの範囲よりも少し背伸びすることが最も学ぶためには効率がいいとのことです。
また、メモすることは見返すためのものですが、僕のオススメとしてはしっかりアウトプットを示しておくことです。
例えば読書感想文とかがそれにあたります。
初めて読書した当時の自分はどこに目を向けて読んでいて、その結果何を感じ学んだのかをメモしておきます。
いつか見返した時に現在の自分とのギャップがわかり、自分の変化に気づけます。
この章ではとても興味深い一言がささりました。
たしかにその通りだなと思い、新しい視点をいただきました。
本は、すでにテキストが入っているノートなんです。
– 松岡 正剛(編集者、著述家)
[ad#co-2]
なぜ人は学ぶのか
最後の締めくくりとして適切なテーマだと思います。
「で、結局なんで人は学びたいの?」と学ぶことが苦手または嫌いな人はそう思うはずです。
学ぶ人が好きな人はただ学ぶこと自体が好きな人もいるかなと思います。
学びは何かしら理由があり学ぶのに、学ぶ前提条件は見逃してたりします。
自分が学びたい理由をもって学ぶことはより深い学びを得る近道だと言えるでしょう。
・人は生まれながらにして学ぶことを欲する生き物である。
・人は根本的に自由を求める生き物であり、自由になるために学ぶ。
・個性を磨くにはそもそもの土台をしらなければいけない。
要約するとこうなる。
たしかに、人は生まれて会話ができ始めると親に「なぜなぜ攻撃」を始める。
言葉だけではない。
なんでも触れようとする、なんでも口に入れようとする。
気づけば生まれつき学ぼうとしているのが人という生き物なのかもしれない。
個人的に一番響いたのは2つめの自由になるためという理由。
高校時代の担任は図を描きながらこう話したことを思い出した。
「ここに不自由という枠があります。
皆さんが考えている自由とはこの枠を壊すことだとお考えでしょう?
しかし、不自由はなくなりません。
できないことは必ず存在するからです。
それでは自由とは何か。
それはこの不自由の中にあるものです。
人は不自由の中にしか自由に生きれません。
より自由に生きれている人は不自由の枠を広げた人だけです。」
たしかにその通りである。
僕は男であり日本人であり25歳の成人男性である。
それ以上も以下にもならなくて、変えることができない事実である。
それを不自由とするのであればその中に自由を見出さなければいけない。
ではどのように不自由の枠を大きくするのか。
ここでも担任からの教えがある。
「いま、自分の眼の前にどう考えても乗り越えれない大きな大きな壁が立ちはだかっています。
あなたはどうやって乗り越えますか?
道具などはいっさい使用できません。
…
簡単ですね?
あなたが壁よりも大きくなればいいんです。」
とても的を射てる答えが返ってきました。
たしかにその通りです。
目の前のものより大きくなること、すなわち不自由の枠を広げることになります。
そうすれば中の自由はより大きな領域を確保できます。
人として大きくなるために学ぶことが必要です。
最後の個性はいわゆる守破離かなと考えています。
守破離に関しては様々な記事があると思うのでぜひ調べていくつか読んでみてください。
この章でもっとも良かったのは有名な一言ですが、うなづきたくなる一言でした。
学びは伝え続ける限り滅びません。
明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学びなさい。
– マハトマ・ガンジー(政治指導者、宗教家)
なぜ僕は学び続けるのか
本書を読んだ上で自分なりになぜ学び続けるのかを再考してみました。
・知的好奇心からくる学ぶ欲求
・人として大きくなるため
・長生きするための唯一の手段
この3つに集約されました。
まず欲求に関してですが、まだまだ知らないことがたくさんあり、もっといろんなことを知りたいと思う欲求があります。
知ることでどうなるとかではなく、知ること自体が楽しいと思えるからこその欲求です。
そこで思い出されるのが「トリビアの泉」です。
知らない方もでてくる時代かもしれませんが、僕の世代ではかなり流行り、学校での会話では「昨日のトリビア見た?」と月9ドラマ並みに話題になったものです。
トリビアとは「くだらないこと、些細なこと、豆知識」と意味付けられています。
トリビアを知っても、使える機会は合コンくらいでしょうか。
だけど知りたいと思える欲求は知る欲求であり、そこから学ぶ欲求に近づくのだと思っています。
2つめの人として大きくなるためとは、「感性や視点を広げる」ということです。
人として大きな人は感じることができ、様々な視点を持っている人だと思っています。
これは僕なりに人として小さいなと感じる人の裏返した結果です。
感性や視点を広げるためには小説を読んだり、今まで知らなかった事象に対するアプローチを知ることが大切です。
最後の長生きするとは、「他者の経験を擬似的に体験する」ということです。
人生は100年までくらいですが、他者の経験を取り込めばそれは200年にも1000年にもなると思っています。
有限の時間の中で生きれないので、どれだけ時間をかけずに経験をするかによって人の人生の豊かさは左右されます。
そして、学び得たものの中から自分がやりたいこと、実際に体験したいことを取捨選択していくことが自分の人生を歩むことに繋がっていきます。
学ぶことに悩んでいる方にはとてもお勧めな一冊になります。
ぜひ一度読んでみてください。